本研究は、経済学的な交渉問題を、一般的な「提案応答モデル」に基づいて戦略的(非協力ゲーム理論的)に分析する。提案応答モデルとは、各交渉参加者が一定の規則に従って提案者として選定され、その提案者による提案を他の参加者が承認または拒否することで交渉結果が定まるものである。提案者が決まった確率分布に従って選定される場合に、複数の均衡帰結が存在する場合があることがわかった。そして、均衡帰結が一意的になるための十分条件を提示した。さらに、均衡帰結の効率性についても議論し、効率的となるための十分条件を提示した。
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