日本家計パネル調査を用いたパネルデータ分析により、低所得者層では医療費支出がニーズに比べて過小であること、また高所得者層では過大であることが分かった。また、特に高齢者間での医療の不平等性が大きいこと、不景気になると特に現役世帯の中間層の医療費支出が大きく落ち込むことなどから、景気変動により現役世代の医療の不平等性は増すことが分かった。これらの結果は、高額療養費制度や自己負担率などの医療政策のあり方を考える上で重要なエビデンスの一つになると考えられる。研究成果は経済学と医療経済学の国内学会および国際学会で報告を行った。また、研究成果は論文の形にまとめており、英文ジャーナルで発表する予定である。
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