研究課題/領域番号 |
16K17202
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
西本 章宏 関西学院大学, 商学部, 准教授 (10613185)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 市場創造 / 脱コモディティ化 / メガマーケティング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、消費者行動研究の視点から脱コモディティ化のための市場創造戦略を提示することである。平成28年度は、1.市場創造に関する先行研究レビュー、2.本研究分野の専門家と実務家に対するインタビュー調査、そして3.事例研究を行った。 1.先行研究レビューに関しては、消費者行動研究の視点から脱コモディティ化のための市場創造戦略を提示していくにあたり、消費者行動研究の書籍・雑誌を網羅的にレビューした。 2.本研究分野の専門家と実務家に対するインタビュー調査に関しては、市場創造戦略を専門とする研究者とコモディティ化に直面している実務家(マーケティング・マネジャーやブランド・マネジャー)にインタビュー調査を実施した。インタビュー調査によって、本研究対象となるコモディティ化の鍵概念や市場創造戦略の理論的枠組みの精緻化を行うことができた。加えて、脱コモディティ化のための市場創造戦略に関する実証研究への仮説構築の契機となった。 3.事例研究に関しては、先行研究レビューと専門家に対するインタビュー調査からコモディティ化に関する理論的枠組みを精緻化し、実務家に対するインタビュー調査をベースに執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
十分に先行研究レビューを行い、本研究分野の専門家と実務家にインタビューを行うことができ、事例研究によってケースを執筆することもできたことから、当初の研究計画に沿って順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、前年度の研究成果を踏まえ、1.消費者のブランド知識に着目した脱コモディティ化のための市場創造戦略に関する実証研究と、2.消費者のブランド選択行動に着目した脱コモディティ化のための市場創造戦略に関する実証研究が研究活動の中心となる。 まずは、第1実証研究において、先行研究レビューとインタビュー調査によって発見された消費者のブランド知識とコモディティ化の関係性に関する仮説を構築していく。次に、仮説検証のための調査票を作成し、消費者調査を実施する。本実証研究は、質問票調査ではなく実験調査を行う予定である。なお、実験調査を完了し、統計的処理によって仮説検証を行った段階で、国内の学会・研究会で成果報告を行いたい(5~6月頃)。国内学会としては、日本消費者行動研究学会、日本マーケティング・サイエンス学会が候補に挙げられる。国内学会・研究会へ積極的に参加し、研究に対する意見・コメントを得ることで、第2実証研究に向けて研究水準の向上を図りたい。 続いて、第2実証研究においても、基本的な研究手続きは同様である。ただし、本実証研究では、先行研究レビューとインタビュー調査に加え、第1実証研究から明らかにされた研究結果を踏まえ、消費者のブランド選択行動とコモディティ化の関係性についての仮説を構築していく。 また、第1実証研究と同様に、実験調査が完了し、統計的処理によって仮説検証を行った段階で、国内の学会・研究会で成果報告を行いたい(10~12月頃)。そして、それぞれの実証研究について、国内のレフェリー付き雑誌に論文として投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に実施したインタビュー調査と研究打ち合わせを行うための出張旅費と事前調査を実施するための調査費が当初予定よりも金額を抑えて実施することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に実施する調査費に充てることとする。
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