本研究では超高齢社会に突入した我が国において、地域に存在する居場所が高齢者の幸福感に与える影響および高齢者へ向けた包括的な支援・サービスのあり方や運営手法を明らかにした。近接性の高い居場所は高齢者にとって外出機会の増加および介護予防に役立つ「通いの場」であり、また社会との「接点・交流の場」として機能し、こうした居場所を利用する高齢者の幸福感や老いに対する捉え方に好影響を与えていることが明らかとなった。施設運営に関しては、その地域の実情を熟知した地元民を含んだ団体が行うことで、高齢者のニーズを早期に発見し、柔軟に支援を提供できるといえ、利用者の声を適宜聞き入れ、活かすことが重要である。
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