研究は順調に進んでいる。第二外国語教育分野において、高嶋幸太先生と共に、自由記述型の質問項目を作成し、これを集計し、分析した。この成果を教育心理学会大会にて報告し、さらに教育心理学研究に論文投稿を行った。現在、論文は印刷中である。 この研究は、第二外国語教育において重要な点は何かを、学生の視点から収集したものとなっている。既に教育者の視点から収集した結果については執筆者らの先行研究においてまとめられており、併せて学生の観点からも意見を収集した次第であった。この研究について、自由記述における汲みつくしの指標である捕獲率を適用し、集められた自由記述の中に含まれていた意見の種類数で、十分意見が汲みつくされていたことが明らかとなった。その上で、学生がどのような授業を第二外国語教育に求めているのかを記述、考察したものとなっている。 具体的には、中国語やドイツ語、フランス語といった第二外国語に渡って、学生達が実用性をもった授業を求めているといったことや、一見関連のないような中国語においても、英語との文字の混同があって難しい、といった意見がみられ、第二外国語教育という横断的な語学の分野を総合することでみられるような知見についても明らかとなっていた。学生たちには3つの質問を自由記述で求めたところ、3問共に80%をこえる捕獲率が得られていた。 新しい手法の確立については、早稲田大学の豊田秀樹教授と共に、新しいタイプの自由記述型の質問項目とその分析方法についての研究を行った。現在、本研究の成果をまとめている段階にある。
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