多くの研究でコーピングの様々な機能について検討されてきた。しかし情動焦点型コーピングと健康や適応との関係は未だに不明瞭な部分がある。本研究の目的は情動焦点型コーピングの機能的メカニズムに潜在的・顕在的正負感情がどのような影響を及ぼすかの検討であった。 要約すると、顕在的正感情の高さは男女ともに特性的情動焦点型コーピングを導く可能性を示唆した。また潜在的感情価の高さが女性で健康を、そして潜在的・顕在的負感情の高さは女性で特性的情動焦点型コーピングの低さを導くことであった。対照的に潜在的感情価の高さは状況的情動焦点型コーピングや健康状態とは関連がみられなかった。今後も検討が望まれる。
|