音読の流暢性を年長児を対象として測定するとともに、流暢性を予測する認知的要因を重回帰分析を用いて検討した。1分間に音読可能であった文字数(流暢性)は、平均値を中心に広く分布しており、本課題は年長児の音読流暢性の個人差を測定する指標として妥当であると考えられた。重回帰分析の結果、流暢性の有意な予測変数として、非語復唱(β=.43、R2 change=.28、p<.001)と、RAN所要時間(β=-.36、R2 change=.12、p<.001)が抽出された。年長児の音読流暢性は、月齢に関わらず音韻処理能力と自動化能力が関与する可能性が考えられた。
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