生体情報伝達を担う中枢神経系の神経回路形成において,細胞外環境の力学的特性が及ぼす影響を明らかにすることを目的としている.本研究では,神経回路形成の初期段階である神経突起形成に着目して検討を行った.研究の第一段階として,生体内の力学的特性を模倣した,弾性率が空間的に制御されたハイドロゲルを作製手法を確立した.このハイドロゲル基板上で神経細胞を培養することにより,基板の弾性率が神経細胞の成長・機能形成に影響を与えることを明らかにした.本結果は,再生医療やブレインマインインターフェースの材料開発のためのin vitroモデルとしての利用が期待される.
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