1.一般に非双曲性があると系の周期点の個数の(周期に関する)増大度が大きくなると期待されるが,この事実が通有的に成立することを部分双曲型力学系と呼ばれるクラスの力学系の一部に対して証明した.2.非双曲性が摂動に対して頑強(ロバスト)に発生するための重要なメカニズムとしてブレンダーと呼ばれるものがあるが,具体的な二次多項式の族でブレンダーを持つものの極限集合の可視化の研究を行った.3.非双曲型力学系のうち,野生的と呼ばれるクラスの力学系の分岐に関して研究した.野生的力学系は例自体があまり知られていないが,体積双曲的と呼ばれるクラスの力学系が野性的になりうることを証明した.
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