量子測定理論の適用領域拡大に貢献することができた。長い歴史的経緯もあるためこれまで量子力学的な観点から測定による状態変化の記述に関する研究が大部分を占めてきた。今回,量子場理論や,電磁場が波長未満のスケールで物質場と相互作用することで生じる「ドレスト光子」に対して測定理論を適用可能にした一方で,相関のレベルでの測定の特徴づけを前進させた。測定という実験においてある意味で“当たり前”に関与する物理過程に対する理解を微々たるものであるが深められた意義は(今後の研究次第ではあるが)確かにあると考える。
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