本研究では、恒星進化モデルの鍵となる「大質量星の質量放出率」を求めるため、星風衝突を起こしている楕円軌道の連星系のX線分光モニタリングを行った。星風衝突領域が非常に強いX線を放つため、連星間距離の違いにより豊富なプラズマサンプルを得ることができ、X線吸収量の変化を追うことで、従来の手法に比べて2倍以上精密に質量放出率を求めることができた。連星周期が30日から10年以上に至る様々な星風衝突連星に適用させ、おのおのの質量放出率を求めることに成功した。新たな星風測定手法が様々な周期の天体へ適用できることが示すことができた。
|