研究課題
若手研究(B)
本研究では、外側太陽系に多数存在する氷衛星や氷準惑星といった氷天体の進化を、大規模な変形の観点から調べた。土星の氷衛星エンセラダスについては、氷の長期粘弾性変形(数百万~数十億年スケールの変形)に着目して同衛星の熱収支を調べた。木星の氷衛星ガニメデについては、内部構造と潮汐変形(木星を周回するたびに伸縮を繰り返す、数日周期の大規模変形)の関係を定量的に調べ、地形観測によってどれほど内部構造を調べられるかを評価した。冥王星については、氷の長期粘弾性変形に着目して同準惑星の熱・構造進化を調べた。
惑星科学
時代を超えて人類が挑んできた難問の一つに「地球以外に生命を宿す天体はあるのかないのか」がある。外側太陽系の氷天体の内部には、生命の誕生と生存に深く関わる液体の水でできた「海」の存在が明らかになってきている。しかし、これらの「内部海」がどの深さにあるのかや、なぜ凍結せずに維持されているのか不明である。本研究は、理論と探査データ解析の融合させてこれらの疑問を解き、氷天体における生命生存可能性に関する議論の土台を提供する。