研究課題
若手研究(B)
乱流を抑制することで断熱層/粒子遮蔽層として作用する「内部輸送障壁」の形成は、核融合プラズマを高性能化する上で重要な鍵を握っている。本研究では、我々が開発を進めている第一原理コードGKNETに対して、より現実に即した電子モデルを実装し、内部輸送障壁形成に対する電子ダイナミックスの影響を評価した。その結果、電子ダイナミックスが関与した乱流が選択的に励起されることで、従来は必要としていた運動量入射をせずとも内部輸送障壁が自発的に形成されることを世界で初めて実証した。
核融合学関連
本研究は、加熱方法などによって電子ダイナミックスが関与した乱流を制御することで、内部輸送障壁が自発形成可能であること示唆しており、核融合プラズマの高性能化に資する研究である。また本研究では、大規模シミュレーションのための高効率並列化手法の開発や、特異点近傍における保存性を担保した数値計算スキームの開発なども行っており、数値計算分野に対しても貢献を行った。