ルテニウム触媒と不飽和炭化水素の存在下で シリル基を有する多環芳香族炭化水素を反応させることにより,C-H切断を伴う分子間環化が起こり,含ケイ素六員環が縮合した多環芳香族炭化水素やシリルアントラセンのV字型環化二量体が得られた。得られた化合物の構造を単結晶X 線構造解析により決定した。また光吸収や発光挙動について分光学的手法や密度汎関数法により調査した。含ケイ素六員環の縮合により吸収や発光の長波長シフトが起こった。一方,V字型環化二量体では分子内あるいは分子間のアントラセン間相互作用に由来すると考えられる挙動が見られた。
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