互いに混じりあわない二種類の溶媒それぞれに鉄イオンおよび直線型架橋配位子を溶解させ、それらを静かに重ねることで液液二相界面を作り、その界面にて錯形成反応を進行させることで薄膜状物質を合成した。薄膜状物質は金属錯体ワイヤからなることがサイクリックボルタンメトリー、紫外可視吸収スペクトル、原子間力顕微鏡観察により確認された。金属錯体ワイヤの磁気特性をSQUID測定で調査したところ、250 K近傍で部分的なスピンクロスオーバーが観測され、温度により電子状態を変化させることで、物性のスイッチングを行える可能性が示唆された。
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