光応答性分子の光反応を利用した固体物性変化は、非接触かつ任意の時空間で物性変化を誘起できることから注目を集めているが、一般的に光反応が10%程度までしか進行しないため、大きな物性変化の誘起は困難であった。本研究では、光反応と熱的な結晶構造相転移に注目し、従来の光反応における1対1の応答を超えた、非線形的な応答を示す機能材料の創出に関する研究を推進した。本研究成果により、従来の固体光化学の既存概念を超えた複合応答材料の創出が可能となり、新たな分子テクノロジーの学術分野を切り拓くと考えている。また、光化学、結晶学、材料化学といった幅広い様々な基礎研究分野の発展に大きく貢献すると考えている。
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