研究課題/領域番号 |
16K17926
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
原賀 智子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 バックエンド技術部, 研究職 (80715227)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | キャピラリー電気泳動法 / アクチノイドイオン / 放射性試料 / 簡易スクリーニング / レーザー励起蛍光検出法 / 高感度検出 / 蛍光プローブ / 化学ライブラリー |
研究実績の概要 |
本研究は、放射性試料中のアクチノイドイオンに対する分析法として、簡易な分析システムであるキャピラリー電気泳動法を基盤とする超高感度迅速分析法の確立を目指すものである。これまでにない、簡易スクリーニングのための超高感度直接蛍光検出を実現するため、キャピラリー電気泳動法によってアクチノイドイオンを高感度に検出するための蛍光性試薬(蛍光プローブ)を開発するとともに、精密分析のための迅速分取法の開発を目指している。 平成28年度は、アクチノイドイオンを高感度に検出するために必要な蛍光プローブを開発するため、金属イオン検出用化学ライブラリーを用いて、配位骨格の探索を行った。 平成29年度は、前年度までに探索した配位骨格を用いて、アクチノイドを高感度に検出するための蛍光性試薬(蛍光プローブ)を開発するとともに、精密分析のための迅速分取法を開発するため、蛍光プローブ錯体に対する大容量注入-濃縮-分離-分取法の調査を行った。今後は、開発した手法を実際の放射性試料の分析へ適用するための試験を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、前年度までに探索した配位骨格を用いて、アクチノイドを高感度に検出するための蛍光性試薬(蛍光プローブ)を開発した。また、精密分析のための迅速分取法を開発するため、蛍光プローブ錯体に対する大容量注入-濃縮-分離-分取法の調査を行い、適用可能な条件を見出すことに成功しており、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、精密分析のための迅速分取法の開発を進めるとともに、開発した手法を実際の放射性試料の分析へ適用するための試験を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)次年度使用額が生じた理由は、蛍光プローブ錯体に対する大容量注入-濃縮-分離-分取法の調査において、適用可能な条件を見出すことに時間を要したため、試験に必要な物品費(消耗品費)や成果を公表するための学会参加の旅費等の支出が予定よりも少なかったことなどが挙げられる。 (使用計画)次年度使用額と翌年度請求額を合わせた使用計画は以下のとおりである。 適用可能な条件を見出せたことから、今後、開発のために必要な試薬類、器具類を購入するための物品費(消耗品費)に使用するとともに、得られた成果を公表するために、学会参加の旅費や学会参加料、論文投稿料などに使用することを計画している。
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