研究課題
若手研究(B)
近年,ディスクブレーキにおいて,高速域で制動を行う際に,Hot Judderと呼ばれる,ディスクの熱変形が引き起こす新たな振動問題が多発している。このHot Judderを摩擦による伴う自励振動系として捉え,熱伝導を考慮した摩擦振動モデルを構築し,その基礎的な発生メカニズムについて調査した。その結果,ディスクとパッド間の接触力の変動が,ディスク表面の膨張量の変動となって,さらに接触力の変動を助長し,Hot Judderが発生することがわかった。
機械力学
従来の摩擦自励振動系には見られない,熱に起因する変形形状のフィードバックによる時間遅れ系の自励振動を解明することができた。これは,摩擦に関連した新たな自励振動分野の確立への第一歩となる。これからの日本の自動車業界の技術の信頼性,安全性,快適性をさらに高めるものと確信している。また,この技術は自動車業界のみならず,鉄道,航空・宇宙産業など広い分野で有用性がある。