本課題では,環境低負荷材料のみで構成され,かつ高効率太陽電池への可能性が期待できるCu2(Sn,Si)S3(CTSiS)の製膜に挑んだ。高性能太陽電池に求められる「禁制帯幅Eg:1.2 eV」を,Snの約12%をSiに置き換えることにより実現した。結晶粒径の増大には620℃以上の高温硫化とNaの添加が有効であったが,高温で硫化することでEg=1.6eVの異相に転移してしまうこともわかった。Si組成の面内分布はターゲット材料の念入りな前処理によって均質化されたが,硫化処理中にSiが気化する問題も残された。
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