超高速・低消費電力論理回路用素子を実現するための技術として、縦方向に積層されたInGaAs極薄膜をチャネルとするトランジスタの開発に取り組んだ。有機金属気相成長法による再成長で形成したソースドレインによって中空に保持されたInGaAsチャネルの形成プロセスを開発した。断面観察からは厚さ10 nm以下、幅100 nm以上という縦横比のナノシートが二層に積層された構造が実現されていることが分かった。ここに高誘電率ゲート絶縁膜とモリブデン電極からなるゲートスタック構造を形成し、トランジスタ素子の測定を行った。電流特性からは積層型ナノシート構造の優位性を示す結果が得られた。
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