現実の制御対象には複数の制約条件が課されているのが普通であるため,制約を満足する制御器の設計手法を確立することは非常に重要な課題であり,本研究の成果は学術的にも応用上でも意義深い.また,現実の制御対象には常に外乱が作用するため,その場合にも有効な手法が得られたことは実用上非常に重要である.さらに,その制御器が数式処理システムを用いて容易に計算可能であることも実用上非常に重要である.また,Roesserモデルは,例えば画像処理の分野で重要な役割を果たしている一方で解析が困難であるため,本研究の理論がその上で展開できたという事実は,本手法の有用性を強く示している.
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