都市部における衛星測位ではマルチパスと呼ばれる大きな測位誤差が発生し,現在までにこの有効な解決手段は示されていない.本研究では,GNSSと事前に得られた三次元地図を統合することで,建物の陰に隠れた衛星のマルチパス誤差を低減し,これまで不可能であった都市部における高精度測位を実現する. Particle Filterを用いることで位置の仮説を生成し,それぞれの位置の仮説において,三次元地図を用いた衛星選択手法から,その仮説の尤もらしさを計算する手法を開発した.衛星測位において大きな誤差が発生する環境でデータを取得し,提案手法により従来の手法と比較して測位精度が向上することを示した.
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