実下水処理水を用いて土着藻類を培養し、栄養塩濃度変化(特に窒素濃度変化)に対する土着藻類中有機物組成の時間的推移の解明を行った。窒素濃度の減少に対して、土着藻類において炭水化物および脂質がそれぞれ第一次および第二次の炭素/エネルギー貯蔵物質として蓄積されることが分かった。窒素濃度が上昇した際脂質が分解されるが、窒素濃度上昇から脂質分解が生じるまでの時間は、培養液中窒素の残存状況により異なっていた。栄養塩を枯渇させることで高油脂含有土着藻類の培養が可能となる一方で、水理学的滞留時間制御等により培養液内栄養塩濃度の上昇を避けることが、高油脂含有率を保つ上で重要であることが示された。
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