研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんに対する分子標的抗体の創薬研究において、抗体の機能解析は試験管内での検証系が主流である。しかし、この結果は生体での反応を必ずしも反映するものではなく、臨床研究で予期しない副作用が観察されることが多い。従って、ヒトの細胞に対する反応性を生体内で検証し得る動物モデルが求められてきた。従来のモデルでは抗体の細胞傷害機能-ADCC活性-の検証はほぼ不可能であったが、ヒトNK細胞を生着させたNOG-IL-15 Tgマウスで検証が可能となった。さらにNOG-FcRg KO, IL-15 TgマウスではADCC活性の検出感度を飛躍的に高めることができた。この動物モデルは創薬の発展に貢献するものと考える。
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