肺癌に対する新たな低侵襲治療の開発を試みた。低出力近赤外線レーザーと光増感物質であるICGの局所注入を組み合わせた光温熱治療の有効性を動物実験で検証した。 ヒト肺癌細胞株で作成したマウス皮下腫瘍モデルを用いた実験では、腫瘍近傍に注入したICGに近赤外線レーザーを照射にすることにより、すべての皮下腫瘍は著明に縮小した。 また、うさぎ肺腫瘍モデルを用いた実験では、対象群である近赤外線レーザー単独群ではほとんど腫瘍は焼灼されず、癌細胞は残存した。一方で、ICG局所注入と近赤外線レーザー照射群では、広範囲に肺腫瘍が焼灼され、大部分の癌細胞が死滅し、本治療法の有効性を確認することができた。
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