研究課題
若手研究(B)
低分子化合物CMB-236は、キナーゼプロファイルの取得により様々なチロシンキナーゼを活性化させることが示された。CMB-236による受容体型チロシンキナーゼの恒常的な活性化は、細胞内環境におけるホメオスタシス機構を破綻させ、カスパーゼ依存性の細胞死を引き起すことが示された。さらにin vivoにおいて腫瘍増殖の抑制作用も示した。本研究の結果より、チロシンキナーゼ活性化剤は抗癌剤としての可能性を見出すことができた。
解剖学
がんの多様性により臓器ごとではなく患者一人一人のがん細胞の特徴にマッチした抗がん剤を選択する時代が到来しつつある。抗癌剤の開発においてキナーゼ阻害剤が多く占めている中、キナーゼ活性化剤による抗癌活性はほとんど報告されていない。本研究において抗癌活性を持つキナーゼ活性化剤が同定された意義は大きく、新たな視点での創薬が期待され、抗癌剤としての選択の幅が広がると考えられる。