ヒトやマウスなどの哺乳類では、発生初期の母体内で進行する現象を観察することは容易ではない。生命活動に必須の血液循環が開始する機構も、この例外ではない。この点に関して、体外受精で体づくりが進行する魚類(ゼブラフィッシュ)を使うことで解決を試みた。特定の遺伝子の機能を任意の細胞で阻害できる技術を用い、血管内皮細胞でのインテグリンβ1の機能が血管形成とその維持に関わることを明らかにした。本研究で開発したゼブラフィッシュ系統は、他の研究にも応用することが可能であるため、国内外の共同研究先に譲渡できるように体制を整える。
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