SOX9は軟骨分化のマスター転写因子であり、正確な骨格形成にはその活性が定量的に厳密に制御されている必要があることが示されているが、そのためのメカニズムは十分解明されていない。本研究ではSOX9タンパク質の翻訳後修飾に着目し、SUMO化の標的アミノ酸であるK396に点変異を導入したマウスを作製・解析を行った。その結果、SOX9K396Rマウスは低身長・低体重であり骨格に異常が見られたことから、正確な骨格の形成にはSOX9K396に対する翻訳後修飾が重要であることが示唆された。また、SUMO化SOX9は野生型SOX9に対して抑制的に働くことが示され、今後はその詳細なメカニズムの解明が期待される。
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