卵成熟・排卵を含む卵胞成長機構の進化・多様化は、生物種の存続と拡大という点において重要な問題である。カタユウレイボヤは脊椎動物と同じ脊索動物に分類されるため、脊索動物の起源的な卵成熟・排卵制御機構を持つと考えられている。しかし、ホヤの卵成熟・排卵を制御する内在の因子は永らく不明のままであった。本研究では神経ペプチドとMAPKシグナリングがホヤの卵成熟と排卵を制御する分子メカニズムを明らかにした。本研究の成果は脊索動物における卵成熟・排卵制御機構の普遍性および、ホヤと脊椎動物における機構の進化・多様化の解明に繋がるものである。
|