本研究では、ウニ幼生の前端部神経外胚葉(脊椎動物の前脳と類似の遺伝子発現を示す領域)のセロトニン神経による、腸管形成への影響を解析した。セロトニン合成を阻害すると正常よりも小さな胃腸が形成されたことから、さらに遺伝子発現等の解析を通してセロトニンが影響を及ぼしている腸管内の組織等の確認を行った。その結果、食道、胃、腸の筋肉組織(幽門や肛門等を含む)は正常通りに形成されていた。一方で、新たに幽門の胃側と腸側にそれぞれ特徴的な神経様細胞が存在することが本研究遂行中に発見され、その一部の形成にセロトニンが必要であることが示唆された。
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