本研究成果の学術的意義は、深い種子休眠性を持つ水田雑草コナギを用いて、2年間にわたる埋土種子の遺伝子発現変動の解析により、野外における休眠サイクルの調節機構を明らかにしたことである。これまでの研究はモデル植物を用いた実験室内での研究が中心であり、本研究により自然条件における休眠調節の知見が得られた。また、本研究で用いたコナギは水田の強害雑草であり、管理の効率化のため種子休眠の予測や制御が求められている。種子休眠の予測や制御は雑草管理の方針を決定するために不可欠な情報であるため、本研究の成果は、コナギや他の雑草の管理技術を開発する基盤情報に活用できるという社会的意義を持つ。
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