本研究では土質の異なる2種類の土壌(褐色森林土と黒ボク土)において微生物移植実験を行なうことで、菌叢形成プロセスへの物理化学的/生物学的因子を定量的に評価することを目的とした。移植した微生物集団に関わらず、定着した細菌叢は黒ボク土含有率が高いほど、(1)生菌数が高くなる、(2)放線菌群の占める割合が高くなる、などの傾向が観察され、細菌叢形成における物理化学的因子の強い影響が示された。また菌叢形成における初期優占細菌には、他細菌への生育促進効果を有する細菌株が存在することから、これら初期優占細菌が後の菌叢形成過程にとって重要である可能性が示された。
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