研究課題/領域番号 |
16K18687
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
瀬上 紹嗣 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (00765935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ピロリン酸 / 糖代謝 / 細胞壁 / 窒素 / シロイヌナズナ |
研究成果の概要 |
ピロリン酸(PPi)は核酸や細胞壁など生物に必須の物質を合成する際に発生する副産物であり、常に除去しなくてはならない。しかし、植物ではPPi利用酵素が複数存在するため比較的高い濃度が保たれているが、その濃度調節機構は明らかではなかった。申請者らはPPiの分解は膜輸送体である液胞膜H+-ピロホスファターゼが主に行い、すべての生物に備わる可溶性ピロホスファターゼは補助的な役割を果たすことを明らかにした。窒素源の違いによりPPiの産生量が変動する現象の発見、根端コルメラ細胞に特徴的なデンプン蓄積にPPiの蓄積が関与することなど、PPi代謝に関わる多面的な解析を展開している。
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自由記述の分野 |
植物生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピロリン酸(PPi)はすべての生物に存在する基本代謝物質である。植物ではPPiが生長調節因子、またエネルギードナーとして働いていることが考えられるが、PPiの濃度調節は合成側ではなく分解酵素であるH+-PPaseとsPPaseが主に担うことを明らかにした。遺伝子破壊株を用いた解析によりPPi濃度は糖代謝を変動させ、細胞壁・デンプン・貯蔵油脂の含量が変化することを見出した。これらの知見から、様々な細胞が持つ固有の代謝要求を満たすためPPi濃度がそれぞれの細胞に応じて調節されている可能性を検証しており、道半ばではあるがその証拠を掴みつつある。以降の研究により実証を目指している。
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