長崎県沿岸域より細菌を単離培養し、細菌細胞のアミノ酸分析を行い、酵素分解性アミノ酸(栄養価の指標)の割合を算出したところ、16-72%と細菌間で大きく異なり、種レベルでその割合は異なっていた。植物プランクトンの酵素分解性アミノ酸の割合は30-35%であるとの報告値から、植物プランクトンの生産した有機物が細菌群集の付着によりその栄養価が変化することが示唆された。また、細菌種によって酵素分解性アミノ酸の割合が植物プランクトンのそれよりも大きい種と小さい種が存在することから、付着する細菌種によって、植物プランクトンの生産した有機物の栄養価が上がる方向にも下がる方向にも変化することが考えられた。
|