研究課題/領域番号 |
16K18738
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
隠塚 俊満 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 主任研究員 (00371972)
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連携研究者 |
中山 奈津子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 主任研究員 (20612675)
伊藤 克敏 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 主任研究員 (80450782)
持田 和彦 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 環境保全センター長 (00371964)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 珪藻 / 鞭毛藻 / プランクトン遷移 / 福山港 |
研究成果の概要 |
作用機序の異なる11種の除草剤の珪藻キートセロスおよび鞭毛藻ヘテロシグマに対する急性毒性を検討した結果、珪藻はブロマシルなど光合成の光化学系Ⅱ阻害剤に対してより高い感受性を示した。また、近年赤潮が頻発している福山港の環境水中除草剤濃度を測定した結果、環境水中濃度は毒性値より50倍以上低い濃度であった。さらに、福山港表層の微細藻類計測値から微細藻類の多様度変化検討し、多様度を説明する環境パラメータを検討した結果、ブロマシル濃度は多様度変化と有意な相関が認められた。そのため、除草剤は実環境中で鞭毛藻赤潮の発生を含む微細藻類の群集構造に影響を及ぼしている可能性が想定された。
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自由記述の分野 |
環境毒性学、環境化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本近海では鞭毛藻による有害赤潮が頻発しており、甚大な漁業被害がもたらされている。本研究では、鞭毛藻が優占する機構について除草剤の影響の観点から検討し、毒性試験を実施するような藻類の増殖に適した条件下では少なくとも単独の薬剤では影響が認められないものの、実環境中では除草剤が微細藻類群集の変化に影響を及ぼす可能性を示した。また、作用機序の異なる除草剤の中で光合成の光化学系Ⅱ阻害剤がより低濃度で藻類に影響を及ぼし、実環境中の微細藻類群集の変化とも相関が認められた。そのため、これらの除草剤の使用の制限や、他の作用機序の除草剤への置き換えにより、赤潮による漁業被害の軽減が可能になると期待される。
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