トリパノソーマ症は発展途上国を中心に蔓延している致死的な原虫病であり、新規治療薬の開発が望まれている。研究代表者は6種類の病原性トリパノソーマを用いたin vitroでの抗トリパノソーマ活性評価系を確立し、作用機序を解析するためのトランスクリプトーム解析を行った。これまでに天然物由来化合物など総計1,000種程度のスクリーニングと、50%発育阻害濃度を算出した。さらにいくつかの化合物についてはマウス感染モデルを用いて、そのトリパノソーマ症治療薬としての有用性を検証した。これらの研究成果をもとに、顧みられない熱帯病の代表格であるトリパノソーマ症に対する治療薬の開発が進展することが期待される。
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