これまでにArtABの毒性については明らかにされてきたが、その発現機構は未解明であった。本成果により毒素発現機構および発現条件が明らかとなり、ArtABがSalmonella 属菌の病原性と関連する可能性が示された。近年増加した成牛のサルモネラ症の主な原因菌であるファージ型DT104が共通にArtABを保有していることから、本成果が成牛のサルモネラ症増加の原因究明の一助となると考える。百日咳毒素は百日咳ワクチンの構成成分であるが、本研究においてArtABがサルモネラ感染動物体内において産生される可能性が示され、ArtABも百日咳毒素と同様にワクチンの候補抗原となる可能性がある。
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