創薬を考える上で、標的となるタンパク質の詳細な動態を理解することは必須である。酸化ストレスに鋭敏に応答し、細胞死を制御することが広くしられるASK1であるが、その生理的意義の理解は未だ限られている。我々は本研究で以下の2点を明らかにした。(1) ASK1は褐色脂肪細胞の分化過程における遺伝子発現制御を担い、熱産生を制御する、(2) ASK1は細胞外の温度が低下した際に活性化し、フェロトーシスという類の細胞死を制御する。これら新たな知見は、代謝性疾患への介入や臓器保存法の改良において新たな示唆を与えるものと考えられる。
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