肥満は、脂肪細胞を主とした白色脂肪組織の増大に起因する。脂肪細胞の分化の過程で、重要なのが転写因子PPARγであり、その抑制因子としてTAZがある。TAZの重要性はin vitroの実験では示されていたが、in vivoにおける役割は不明だった。 本研究のマウスは、TazのパラログであるYapを過剰発現しているが、HippoシグナルのフィードバックがYAPを相補的に減少させ、結果的にYAP活性は平常状態に保たれる。しかし、このフィードバックはTAZも抑制するため、脂肪幹細胞におけるTAZ活性の抑制によりPPARγが活性化され、成熟脂肪細胞への分化促進へとつながり、結果的に脂肪組織が増加した。
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