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2019 年度 実績報告書

グリシン受容体欠損によるレム睡眠行動異常症にかかわる神経回路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K18987
研究機関筑波大学

研究代表者

本堂 茉莉  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 研究員 (70639195)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードレム睡眠行動異常症(RBD) / グリシン / 前運動ニューロン / オレキシン
研究実績の概要

哺乳動物の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠に分けられる。レム睡眠時の大脳皮質は覚醒に近い状態で活動しており、夢を見ていることが知られている。通常、レム睡眠時は骨格筋の筋緊張がほぼ消失し身体が動かないようになっているが、RBD患者においてはレム睡眠中に大声で叫んだり、何かを殴るような素振りをしたりと、夢に影響された行動を示す。しかし、RBDの正確な発症部位は疎か、レム睡眠時における筋弛緩の神経メカニズムも未だに明らかになっていない。本研究計画では、この点を明らかにするために、我々が作成した新規のRBDモデルマウスをもとに、RBD発症にかかわる神経ネットワークに焦点を当てた。我々はまず何処のグリシン伝達の破綻がRBDに関わるかを網羅的に調べるため、Glrycine receptor alpha 1 subunit (Glra1)-floxマウスを各種睡眠覚醒に関わるCreドライバーマウスと交配し、条件付きグリシン受容体欠損マウスを作製した。唯一コリン作動性ニューロン特異的グリシン受容体欠損マウスがRBD様症状を示した。次に、電気生理学的に遺伝子改変マウスのコリン作動性ニューロンがグリシンに応答しないことを確認した。CNQX、APV、SR99531、およびTTXの存在下でグリシンを投与したところ遺伝子改変マウスでは、グリシン電流のピーク振幅は対照マウスの半分未満であった。またこれまでの知見から、RBDのような表現型の発現にはグリシンとGABAの両方の作用が必要であるとされていることから、GABAを介した応答が遺伝子改変マウスで変化しているかどうかを調べた。CNQX、APV、ストリキニーネ、およびTTXの存在下で、GABAを投与したところ、ChGlyR-KOマウスとコントロールマウスの間のGABAA受容体媒介電流に有意差は見られなかった。これらの結果から、本研究によってRBDの表現型はグリシン単独の作用で十分に発現できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] α-Synuclein BAC transgenic mice exhibit RBD-like behaviour and hyposmia: a prodromal Parkinson’s disease model2019

    • 著者名/発表者名
      T Taguchi、M Ikuno、M Hondo、KL Parajuli、K Taguchi、J Ueda、M Sawamura、S Okuda、E Nakanishi、J Hara、N Uemura、Y Hatanaka、T Ayaki、S Matsuzawa、M Tanaka、O MA El-Agnaf、M Koike、M Yanagisawa、MT Uemura、H Yamakado、R Takahashi.
    • 雑誌名

      Brain

      巻: 143 ページ: 249~265

    • DOI

      10.1093/brain/awz380

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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