食塩の過剰摂取により体液中のナトリウム濃度が上昇すると血圧が上昇するが、その機序は不明である。研究代表者は、脳内ナトリウムセンサーNaxが脳脊髄液中のナトリウム濃度上昇を感知し、交感神経の活性化を介して血圧を上昇させている可能性を調べた。野生型マウスとNax遺伝子欠損マウスの体液中ナトリウム濃度を上昇させ、血圧を測定した。また、ナトリウムによる血圧上昇を担う脳内分子メカニズムの探索をおこなった。本研究は、食塩感受性高血圧の発症に関与する脳内Na+センサーの同定につながるものであり、新たな薬剤標的分子の提示などを通じて、食塩感受性高血圧の治療に貢献できる可能性がある。
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