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2017 年度 実績報告書

心腎連関における新規アペリン受容体リガンドの機能的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19013
研究機関秋田大学

研究代表者

佐藤 輝紀  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30733422)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードELABELA / 心保護効果 / レニンアンジオテンシン系
研究実績の概要

前年度までにELABELA (ELA)の各種遺伝子改変マウスの作製、準備を進める一方で、外因性のELAペプチド投与が心保護効果を発揮することを解明し論文で報告した (Cardiovasc Res 2017)。そこで今年度は、内因性のELAの機能について遺伝子改変マウスを用いて検討を行った。まず、マウスの各臓器におけるELAのmRNA発現レベルをqRT-PCRで調べたところ、成長期のマウスでは心臓、腎臓においてELAの発現が認められたものの、3か月齢以降の成体マウスでは、心臓におけるELAの発現は消失し、腎臓においてのみELAが高発現していることが分かった。興味深いことに、In situ hybridizationの解析からELA mRNAの発現は腎臓の集合管に局在していることが分かった。そこで、全身性のELA KOマウス、横紋筋特異的KOマウス(MCK-Cre)、腎集合管特異的ELA KOマウス(Aqp2-Cre)を用いて生理学的実験を行った。横紋筋特異的ELA KOマウスにTACをかけた2週間後の心機能や心体重比は、野生型に比較して有意差は認められなかった。また、腎集合管特異的ELA KOマウスにおける心機能はベースライン、TAC 2週間後においても野生型と比較して有意差を認めなかった。一方で、全身性のELA KOマウスではTAC2週間では心機能に差が見られなかったが、8週間の長期間の圧負荷においては、ELA KOマウスの心機能は保持されている傾向が観察された。これまでの実験結果をまとめると、成体腎において発現している内因性のELAを欠損させても、心機能に与える影響は小さいと考えられる。そこで、内因性のELAの腎臓における作用を解析すべく、片腎摘出術や、尿管結紮腎不全モデルを作製している。腎不全モデルにおいて、腎機能や心機能を比較することで表現型を探索する。ELAの心保護効果や、Apelinの先行研究から、腎保護効果を発揮する可能性が予想でき、その作用機構を解明することを今後の課題として、研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Apelin and Elabela/Toddler; double ligands for APJ/Apelin receptor in heart development, physiology, and pathology.2018

    • 著者名/発表者名
      Kuba K, Sato T, Imai Y, Yamaguchi T
    • 雑誌名

      Peptides.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.peptides.2018.04.011.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The CCR4-NOT deadenylase complex controls Atg7-dependent cell death and heart function.2018

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi T, Suzuki T, Sato T, Takahashi A, Watanabe H, Kadowaki A, Natsui M, Inagaki H, Arakawa S, Nakaoka S, Koizumi Y, Seki S, Adachi S, Fukao A, Fujiwara T, Natsume T, Kimura A, Komatsu M, Shimizu S, Ito H, Suzuki Y, Penninger JM, Yamamoto T, Imai Y, Kuba K
    • 雑誌名

      Science Signaling

      巻: 11 ページ: in press

    • DOI

      10.1126/scisignal.aan3638

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ELABELA, a novel APJ ligand, protects against pressure overload or Angiotensin II-induced cardiac remodeling.2018

    • 著者名/発表者名
      Teruki Sato, Hiroyuki Watanabe,
    • 学会等名
      The 1st JCS Council Forum on Basic CardioVascular Reseach
  • [学会発表] 心不全病態における新規APJリガンドELABELAの機能的意義の解明2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤輝紀、山口智和、渡邊博之、門脇歩美、佐藤チトセ、伊藤宏、今井由美子、 久場敬司
    • 学会等名
      第68回薬理学会北部会
  • [学会発表] 佐藤輝紀、山口智和、渡邊博之、伊藤宏、今井由美子、山本雅、久場敬司2017

    • 著者名/発表者名
      心臓リモデリングにおけるCCR4-NOT deadenylaseの機能解析
    • 学会等名
      第68回薬理学会北部会
  • [学会発表] 新規心不全治療標的としてのApelin/ELABELA -APJ受容体システム2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤輝紀、渡邊博之、伊藤宏、久場敬司
    • 学会等名
      第21回日本心不全学会学術集会 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 新規APJリガンドELABELAは圧負荷やアンジオテンシンIIによる心臓リモデリングを抑制する2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤輝紀, 渡邊博之,山口智和,木村彰方, 深水昭吉, Josef PENNINGER, Reversade BRUNO, 伊藤宏, 今井由美子, 久場敬司
    • 学会等名
      第21回日本心不全学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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