研究課題
若手研究(B)
マグネシウムと血圧調節の関係は示唆されているものの、そのメカニズムは明らかになっていない。本研究では腎臓特異的なTRPM6ノックアウトマウスの解析から、腎臓の遠位尿細管でのマグネシウム再吸収に共役した血圧調節機能の存在を明らかにした。また、培養細胞での解析からTRPM6の発現量は細胞内のマグネシウムレベルにより調節されていることが明らかになった。
細胞生物学
血圧調節においてナトリウムやカリウムの重要性は広く知られているところであるが、生体内に豊富に存在し様々な生命活動に必要なマグネシウムとの関わりには、疫学的調査に基づくマグネシウムの摂取量と血圧の間での負の相関関係の示唆に留まり、そのメカニズムはよくわかっていなかった。本研究により腎臓遠位尿細管でのマグネシウム再吸収に共役した血圧調節機構の存在が明らかになったことは、高血圧発症メカニズムの全貌を理解する上で重要な発見であるといえ、新たな治療法の開発につながる可能性がある。