本研究では、生体内機能に深く関わる糖鎖に着目し、高齢者心疾患を念頭に心臓における糖鎖および様々な細胞発現分子と心臓組織の加齢に伴う質的変化を調べることを目的とした。そこで、週齢の異なる正常マウスの心臓を用いて糖鎖の網羅的な解析を行い、取得した糖鎖情報をもとに組織染色を行った。その結果、領域に応じた継時的な糖鎖変化、および組織変化が生じること、線維化が徐々に増加すること、そしてその変化の時期が雌雄でわずかに異なることを明らかとした。このような変化は領域特異的に、また性差が生じる疾患と関連性が存在すると予想される。今後は、より詳細な加齢研究により、高齢者における疾患予防への発展が期待される。
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