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2018 年度 実績報告書

食塩による画期的な解剖体固定法と尿素散布によるホルムアルデヒド濃度低減法

研究課題

研究課題/領域番号 16K19178
研究機関東京医科大学

研究代表者

河田 晋一  東京医科大学, 医学部, 助教 (00527955)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードホルムアルデヒド / 尿素 / 肉眼解剖実習
研究実績の概要

ホルムアルデヒドは、医学部および歯学部の肉眼解剖実習で用いられるご遺体の防腐・固定溶液として必要不可欠であるが、異臭を発し呼吸器障害や粘膜障害等を引き起こすことが知られ、ご遺体から揮発するホルムアルデヒドの曝露は、学生と教育者にとって有害である。本研究の目的は、ご遺体の防腐処置における保存前(飽和食塩溶液を用いた固定)、保存中(アルコール置換)、保存後(尿素による重合反応)の3つの視点からご遺体内に蓄積されたホルムアルデヒドの濃度を低減させることである。本年度は、昨年度にひきつづきホルムアルデヒドのスカベンジャーである尿素を含有した溶液を肉眼解剖実習中のご遺体に噴霧することにより、解剖実習室全体のホルムアルデヒド濃度を低減させることを検討した。
予備実験として、摘出臓器への尿素溶液の散布を行うことでホルムアルデヒド濃度を低減させることができた。これを踏まえ、解剖実習中全課程において、ご遺体への尿素溶液の散布を行うことで実習室全体のホルムアルデヒド濃度を低減させることができた。当初、懸念されていたホルムアルデヒド濃度の低減によるご遺体の腐敗はみられず、約4か月の解剖実習を行うことができ、これまでの研究成果を誌上報告するに至った。(Anatomical Science International, Volume 94, Issue 2 ; Springer)
本研究により、簡易的かつ安全な方法として解剖実習室のホルムアルデヒド濃度を低減させるのに有用であることが示唆された。一方で、尿素溶液の散布は、ご遺体の腐敗を進行させる可能性を否定できず、さらに検討・評価する必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Spraying urea solution reduces formaldehyde levels during gross anatomy courses.2019

    • 著者名/発表者名
      Kawata S, Marutani E, Hirai S, Hatayama N, Omotehara T, Nagahori K, Li Z, Miyaso H, Pieroh P, Naito M, Itoh M.
    • 雑誌名

      Anatomical Science International

      巻: 94(2) ページ: 209-215

    • DOI

      10.1007/s12565-018-00474-y

    • 査読あり
  • [学会発表] カダバートレーニングを行うために解剖学教室が準備すること~東京医科大学献体による外傷手術 臨床解剖学的研究会の経験から~2018

    • 著者名/発表者名
      河田晋一,宮脇誠,宮宗秀伸,李忠連,永堀健太, 表原拓也,本間宙,織田順,伊藤正裕
    • 学会等名
      第28回日本解剖学会関東支部懇話会,第1回カダバートレーニング研究会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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