アシネトバクター属菌は、世界中で急速に薬剤耐性化が進みその拡散が問題とされているが、日本国内ではその耐性化はあまり進んでいない。本研究ではその背景と耐性化機構を明らかにするため、国内臨床分離株の分子疫学解析とカルバペネマーゼ遺伝子型別を行った。世界流行株であるアシネトバクター バウマニ IC II系統株が国内でも広く分布していたが、海外分離株とは異なりそのほとんどは獲得型カルバペネマーゼ遺伝子を有していなかったこと、MLST解析では国内型STが多く存在したことが、国内での耐性化が進んでいない要因と考えられた。さらに、獲得型カルバペネマーゼ遺伝子保有プラスミドの配列比較を行った。
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