三叉神経領域の慢性疼痛の成立の機序に大脳皮質体性感覚野がどのように関連するか調べた研究は少ない。本研究では慢性疼痛における大脳体性感覚野の刺激応答を経時的に記録し、疼痛慢性化と大脳応答変化との関連性を記述することを目的とした。大脳応答を同一個体で経時的に記録するため、非侵襲で皮質感覚応答を記録できるフラビンタンパク蛍光イメージングを用いたが、麻酔の種類や深度によって記録の再現性に乏しく、三叉神経領域という狭小領域の感覚応答を十分に解析することは困難であった。そこで膝関節慢性炎症モデルを用いて皮質応答の変化を調べた結果、フラビンイメージングにより慢性炎症に伴う皮質応答の増強を見出すことが出来た。
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