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2017 年度 実施状況報告書

新型エンテロトキシン(BEC)産生性ウェルシュ菌による食中毒の発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19283
研究機関地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

研究代表者

余野木 伸哉  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 研究員 (20553613)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードウエルシュ / エンテロトキシン / BEC / binary toxin / 食中毒 / 下痢
研究実績の概要

BECbが単独で下痢症を起こすメカニズムとBECaがBECbの存在化でその液体貯留活性を高めるメカニズムについて研究を進めた。
LDH assay及びMTT conversion assayを使用して、BECbの各種培養細胞に対する細胞毒性アッセイ系を確立した。BECbを96-wellプレートを用いて培養した極性化していないCaco2細胞に接種した場合、細胞塊の外縁から細胞の変性が進行し、細胞塊の内側に変性が広がった。Caco2細胞に対して、濃度依存的毒性および各種濃度における経時的変化を確認し、さらに、BECaが加わった場合の作用について解析している。Trans-wellを用いて極性化させたCaco2細胞に対してBECbを接種した。Basolateral側から接種した場合はApical側から接種した場合よりも低い濃度でTERが低下した。Apical側にBECbを接種した場合、LDHの放出とTERの低下は同時に進行し、Basolateral側から接種した場合はLDHの放出が確認されるよりも早くにTERの低下がみられる傾向を示した。このことから、BECbはApical側とBasolateral側で異なる作用機序が存在すると考えられた。
BEC毒素の半定量的な検出法をLC/MSを用いて構築した。BEC産生性ウエルシュ菌を変法ダンカン・ストロング培地で培養した培養上清濾液についてこの検出系を用いてBECの発現を測定すると、モル比でおよそ1:1存在すると考えられた。
昨年度、報告したBEC遺伝子のマルチプレックスPCR法は引き続き陽性コントロールを配布し、公開している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

BECbの細胞毒性の系は構築したが、データが揃っていない。病原性発現に関わる宿主側の機構について新しい系を立ち上げているが、分子機構に関するデータは得られていない。

今後の研究の推進方策

BECbのCaco2細胞に対する毒性についてデータが蓄積されつつあるので、今後はこれについて焦点を絞りデータを収集する。BECb単独での毒性に関するデータを蓄積した後、BECaがさらに添加された場合の毒性について評価する。
BECbが宿主細胞に毒性を示すために宿主側に必要な因子を解析するため、現在、新たな系を立ち上げており、この系を使用してBECbの病原性発現機構について分子レベルで解析する。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗がやや遅れているため。研究目的に変更はないが、研究の方法に多少の変更があるため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] BEC産生性ウェルシュ菌およびBECに関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      余野木伸哉、本村和嗣、川津健太郎
    • 学会等名
      平成29年度近畿腸管微生物研究会
  • [学会発表] BEC産生性ウェルシュ菌およびBECに関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      余野木伸哉、松田重輝、河合高生、依田知子、原田哲也、 久米田裕子、後藤和義、日吉大貴、中村昇太、児玉年央、飯田哲也
    • 学会等名
      第64回トキシンシンポジウム
  • [学会発表] BEC, a novel enterotoxin produced by non-CPE producing Type A Clostridium perfringens, is a cause of human gastroenteritis2017

    • 著者名/発表者名
      余野木伸哉、松田重輝、河合高生、依田知子、原田哲也、 久米田裕子、後藤和義、日吉大貴、河原一樹、棟朝亮太、沖大也、 中村昇太、児玉年央、飯田哲也
    • 学会等名
      第16回あわじしま感染症・免疫フォーラム
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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