まず,マウス研究において長期漢方薬投与における意欲評価に適した行動評価系を確立した。続いて,この行動評価系を用いてアルツハイマー病モデルであるAppNL-G-F/NL-G-Fマウスの意欲評価を39週齢まで行った結果,一部のマウスで意欲低下を認めた。組織学的検討では,有芯アミロイド斑が線条体に多く沈着しているほど意欲が低下することを発見した。また,ウエスタンブロット 解析で線条体を含む皮質下でドパミントランスポーターが低下していることを発見した。これらの結果は,線条体における有芯アミロイド斑沈着がドパミントランスポーターの障害を介して意欲低下を引き起こす可能性を示唆した。
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