研究課題
若手研究(B)
慢性炎症に続発する腫瘍形成におけるmicroRNAの意義を検討した。Dicerの発現が半分程度に落ちると易発癌性を呈するが、これはDicer蛋白の量をテトラサイクリンで調節できる系で検討したところ、CEB/P経路のかく乱が原因となっていることが示唆された。マウスの腸管炎症組織での検討で、microRNAの機能に関わるAPOBEC3蛋白の減少が確認され、これによるmicroRNA機能低下をROCK阻害剤でリバースすることで、炎症続発性腫瘍を抑制できることを示した。
消化器内科学
慢性炎症に続発する腫瘍は様々な臓器組織で見られるので、この制御は重要な課題である。炎症によってmicroRNA機能が減弱することが腫瘍形成に大きくかかわっていることが示唆されていたが、そのメカニズムとしてCEB/P経路が重要であることを見出した。また、microRNA機能を増強する作用を持つROCK阻害剤を用いると、慢性炎症に続発する腫瘍形成を抑制することが出来ることを見出し、今後の炎症続発性腫瘍の予防法として有用であることが示唆された。